関節リウマチについて

「リウマチ」という病気は誰しも耳にしたことがあるかと思います。節々が痛くなり、放っておくと手指が変形してしまう病気であるというようなイメージをお持ちでしょうか。朝に手指がこわばる、ということで心配で受診される方も多いです。
 
関節リウマチは成人の1%、つまり100人に1人が発症するといわれている比較的頻度の高い疾患です。そしてご高齢の方々がかかると思われがちですが、実際の発症年齢は40代くらいで、特に女性に多い疾患なのです。とはいっても10代で発症することもありますし、100歳になって発症したという患者さんも経験したことがあります。

関節リウマチを治療するにあたって、目標は2つあります。1つ目は「痛みをとること」。2つ目は「変形を予防すること」です。かつてはよい治療薬がありませんでしたが、ご高齢の方で手指が曲がってしまっているのを多く見るのはそのためです。

関節リウマチの治療の歴史にはいわゆる「パラダイムシフト」が2度ありました。パラダイムシフトとは、それまでに当たり前だと思われていたことが、ある瞬間に劇的に変わることです。はじめは「メトトレキサート」という治療薬が関節リウマチの標準的治療になった瞬間です。この薬には、いままでなかった病気を根本的に治療するという力が備わっています。したがってそれ以降、リウマチが治癒したという感触が得られるようになりました。

リウマチの原因って何ですか?とよく患者さんに聞かれます。私はわかりませんと答えます。もともと持っていた素因であったり、遺伝であったり、環境因子であったり、喫煙であったりと、原因と考えられるものは多岐にわたります。そのためにリウマチは「これさえ飲めば必ず治る」という保証はできず、したがって奇跡の薬メトトレキサートでもよくならない患者さんは数多くいらっしゃいました。

そこで第二のパラダイムシフトが起こります。生物学的製剤の誕生でした。いわゆる薬というのは化学物質を合成してできるのですが、これは動物を使って精製するために「生物学的」と言われます。炎症の原因であるサイトカインというものを根本的に抑えつけるのがこの薬のメカニズムです。何をしても一向によくならなかった患者さんが、生物学的製剤を投与することによって劇的に改善するというシーンが世界中で発生しました。使用前、使用後でこんなにも違う!ということでテレビなどのメディアでも話題となりました。

しかしながら、まだまだ困っている患者さんは少なくありません。どうしても炎症が残ってしまう患者さん、薬の値段が高すぎて使えない患者さん、副作用で使えなくなってしまった患者さん。問題は山積みです。これからのさらなる医学の発展に期待したいと思います。

福田 真

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