脳と睡眠と呼吸のお話

こんにちは、信愛クリニック非常勤医師の瀬田です。今回は脳の構造・役割と睡眠の関係について考えてみます。

まず、人間の脳は、
脳幹系は     ・・・ 呼吸や循環、意識といった生命の中心を司る
間脳・大脳辺縁系 ・・・ 食欲、性欲、睡眠欲、喜怒哀楽といった感情、自律神経を司る
大脳系      ・・・ 言語や理屈を司る
に分けられ、この順に中心から取り囲むように外に向かって並んでいます。

大脳皮質・大脳辺縁系・間脳・脳幹系 略図

 
当然呼吸など、生きるために優先度の高い「脳幹系」から守られ、血液や酸素が足りなくなると、まずは外側の「大脳系」から犠牲となります内側(脳幹系)ほど原始的な機能として支配力が強まり、外側(大脳系)へいくほど弱まります。

つまり、「食べたら太るから食べちゃダメだ!」と「大脳系(外側)」は理屈で分かっていても、「甘いものを食べたい!」という「間脳・大脳辺縁系(内側)」の食欲には勝てません。「会社に行かなきゃダメだ!」と「大脳系(外側)」が思っていても、「行きたくない…」と「間脳・大脳辺縁系(内側)」が感じていれば心臓がドキドキして身体は思うように動きません。

ご存知の通り、睡眠は”脳は起き身体は寝ている”「レム睡眠」と、”脳は寝て身体は起きている”「ノンレム睡眠」を交互に繰り返し、さらにノンレム睡眠には大脳系(外側)が寝ている「浅い」睡眠と、間脳・大脳辺縁系(内側)まで寝ている「深い」睡眠があり、深く眠る事でその日の「感情」をリセットする事ができるのです。

眠りが浅くすぐに起きてしまう場合には、感情をリセットできずに翌朝を迎え気持ちが休まらず、逆にぐっすり眠ると「間脳・大脳辺縁系(内側)」も休息を得て「寝たら気持ちもスッキリした!」となるわけです。

多くの方は寝る前に悶々と考え事をして眠れなかったり、眠りが浅くなってしまいます。深い眠りを得るためには、適切な睡眠薬の処方も重要ですが、深い呼吸に集中することがひとつのコツです。(呼吸法に関しては以前のコラム「自律神経ってなんだ?」をご参照下さい)

より支配力の強い「脳幹系」(内側)の機能である呼吸に集中すると感情(外側)は二の次となり、やがてゆっくりとした呼吸と脈がリラックスをもたらします。適切な深呼吸法を身につけ、睡眠時や緊張時のリラックス法に活かしましょう。

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