大腸がんと内視鏡② 便潜血陰性だから大丈夫?

消化器内科、心療内科、内視鏡医の幾世橋です。

今回は便潜血が陰性だった場合、大腸がんとの関係について書かせていただきますね。
結論からいうと、便潜血が陰性だからといって、安心はできません。

検査の感度といって、大腸がんがある場合に正しく診断される確率から考えると、

進行大腸がんが存在していても、約1割の方は便潜血陰性となってしまうことがわかっています。(感度9割)

さらに早期大腸がんにいたっては、約半数の方が便潜血陰性になってしまうのです。(感度5割)
これには驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、便潜血が陰性だからと言って、

自分に大腸がんがないということにはならないのです。

 

では、なぜ検診では便潜血の検査を行うのでしょうか?
これは、便潜血が検査として簡便だからということにつきます。
本来、大腸がんを心配するなら、大腸内視鏡検査をするのが一番いいのですが、

検診で全員に大腸カメラはちょっと大変だろうということで、簡便な便潜血をしましょうということになっています。

実際に進行大腸がんの9割の方は便潜血が陽性になるので、検診で便潜血をうけることは意味があるのは間違いありません。
しかし、便潜血陰性だけでは、大腸がんがないとは言いきれないのです。

 

とくに便潜血陰性でも注意したほうがいい方は、大腸がんのリスクが高いと考えられる方です。
大腸がんは、50歳代から高齢になるほど起こりやすくなることがわかっています。

また血のつながった家族に大腸がんの方がいる場合、そうでない人に比べて2-3倍も大腸がんになる確率が上がるといわれています。
若くて家族にも大腸がんの人もいないから大丈夫かというと、

多くはありませんが実際に当院でも20歳代でも進行大腸がんの方も経験していますので全く大丈夫とは言えません。

そこで、当院でおすすめしているのは、「とにかく1回は大腸内視鏡検査を受ける」とうことです。
なぜかというと、上記のような大腸がんになりやすいリスクもなく、

大腸内視鏡でポリープもまったくない正常の大腸だった場合は、

1回内視鏡検査をしておけば頻繁に内視鏡検査をする必要はないからです。

データによっては、このような場合、大腸内視鏡検査による大腸がんによる死亡リスク低下の効果は10年続くということも報告されているくらいです。

そのため、「とにかく1回は大腸内視鏡検査を受ける」ことで、検査で全く問題なければ当分しなくても大腸がんは大丈夫と安心できますし、

たとえポリープが見つかって切除した場合でも少し注意して定期的に大腸内視鏡検査をうけていけば大腸がんは予防できるということになります。
つまり、「とにかく1回は大腸内視鏡検査を受ける」ことが、いま増えつつある大腸がんについての安心につながると考えられます。
当院では、検査を受けていただく以上、検査が楽に受けられるということがとても重要と考えており、

「大腸検査は苦しい」というイメージを一掃していくことをモットーに日々の診療を行っております。
大腸がんが心配だけど、内視鏡検査受けるのも大変・・・と迷っている方は、是非、お気軽にご相談くださいね。

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