何らかの原因で腸がねじれてしまい、腸の通過障害と血行障害を起こす病気です。 大腸はある程度固定されているため、起こりにくいです。 しかし、S状結腸に起こる腸捻転は比較的起こりやすいです。 S状結腸は固定されておらず、ぶらぶらしています。 便秘で便がたまるとその重さで、腸間膜の根元を支点にしてくるりとねじれてしまうことがあります。 腸がねじれて血流が止まると、激しい腹部の痛みなどの虚血性の症状があらわれます。 重症のケースだと、血流障害から腸管が壊死したり、腸管が破裂して腹膜炎を起こしたりと致命的となる場合もあります。 また、腸内の細菌が血管内に侵入して敗血症になると、重篤化してしまいます。 発症頻度はそれほど高くはありませんが、高齢の男性に起こりやすいといわれています。 高齢者は大腸の動きが弱いため便秘を起こしやすく、腸壁も薄くなるので便がたまりやすい傾向にあります。 更に、男性は骨盤が狭く、ねじれた腸が自然に戻るスペースが少ないため、女性より起こりやすいと考えられています。