パニック障害は、かつては「不安症」とも呼称されていた疾患ですが、パニック障害の症状や原因、検査方法や治療方法について解説します。
突然これらの症状に襲われることからパニック状態に陥るケースもあれば、
「パニックしてしまうのではないか」との不安を恐れる予期不安、
さらには発作を防ごうとする意識から自然と特定の場所や状況を避ける回避行動に分類できます。
パニック障害はうつ病を併発するケースがあります。
精神的な不安による疾患は とても苦しくて辛い病気なので、
気分が落ち込んで日常が立ちいかないと感じる人も少なくありません。
パニックそのものは死に至ることがないとはいえ、急に起きることから不安や恐怖を覚える一方で、
どのように対処すればよいのか分からないことから、困っている患者も多いです。
パニック障害が起きると動機、発汗、さらには手足の震えや大声を出したくなる衝動、
さらには死ぬかと思うような恐怖など、頭がおかしくなってしまうような感覚を感じます。
患者は心筋梗塞に似た、心臓が悪いんだ!としか思えない苦しさを覚えるので、
内科的診療を行っても異常を発見できないことから、
「異常なし」と診断されてしまうケースが多いものの、またなったらどうしよう!?
という思いは強くなるばかりです。
そうです、パニック障害を一度経験してしまうと、 あの苦しさを一度でも味わうと、
またああなったら・・・という不安にとらわれます。
これを予期不安といい、パニック障害の苦しみの根幹といってよいでしょう。
パニック障害を起こした時と似たシチュエーションが迫ると不安に襲われたり、
発作が起きてしまうこともあります。
基本的には医師の問診にて診断しますが、一度の診断で判断するのではなく、
1か月程度様子を見てパニック障害だと判断します。
米国精神医学会のDSM-IV-TR、WHO(世界保健機関)のICD-10を診断基準にする傾向が多いですが、
パニック障害は患者によってパニックになる対象が異なりますので、
診断・検査は慎重に行われます。
少しでも患者に負担を与えるような診断・
検査を行わないよう、慎重に進められます。
パニック障害の治療は主に下記の二種類が挙げられますが、いずれも長期的な治療となります。
・薬物療法
薬物療法は抗うつ薬を中心に行われます。
いわゆる「安定剤」と呼ばれるベンゾジアゼピン系の薬は短期間の投与が望ましいとされています。
また、 どうしても辛い時のみに限定します。
なぜならベンゾ系薬は依存性・習慣性が強いため、安易に服用するとすぐに癖になってしまうからです
投薬の効果を逐一確認し、なるべく薬に頼らない状況を作りますが、
投薬の目的はパニック障害の完治・根治ではなく、どちらかといえば軽減を目的としたものです。
・精神療法的アプローチ
なぜパニック障害なのか、患者の精神状態に寄り添ったカウンセリング等、
精神療法的なアプローチによる治療も行われます。
パニック障害は心理面の影響が強い症状とされていますので、
患者の不安の原因は何かといったものだけではなく、
まずは患者自身がパニック障害を正しく理解するところから始めます。
パニック障害の理解やパニック障害が起こる理由の説明はもちろんですが、
不安を受容したり、あるいは不安をコントロールするための認知行動など、
患者の状態に合わせた治療が行われます。
但しこちらの治療に関しては、患者と医師だけではなく、周囲の協力も不可欠です。
特に家族もパニック障害を正しく理解し、
どのように接することが求められるのかを一緒に考えることが大切です。
パニック障害の予防は、早めに心療内科、あるいは精神科の医師に相談することです。
パニック障害なのではないかと思われること、あるいはパニック障害に該当しないものの、
患者自身が不安やストレスから、思いもよらない行動を起こしてしまった時などは、
自分だけで考えるのではなく、医師に相談することが大切です。
また、ライフスタイルの改善も重要です。
睡眠時間の確保、ストレスの軽減はもちろんですが、
パニック障害をもたらす誘発物質とされるニコチンやカフェイン、
アルコールを控えることも大切です。
ただし、自己判断するのではなく、まずは一度医師に相談してみましょう。