anisakis アニサキス

アニサキスとは

アニサキスとは寄生虫です。 サバやアジ、サンマ、カツオやイワシなど日常生活で我々が口にすることが多い生鮮魚介類に寄生しています。 国立感染症研究所の試算によると、アニサキス関連の診察件数は年間平均7,000件と推測されており、 厚生労働省食中毒統計では2019年の食中毒病因物質別発生件数に於いて1位を記録しています。

アニサキス

原因

アニサキスが寄生している魚(サバ・アジ・イカ・サンマ・鮭)を食べて、
寄生虫が胃に食らいつく結果、アレルギー反応を起こすことが腹痛の原因と言われています。
アレルギー反応が起きなければ痛みは発症しないので、
アニサキスによる腹痛を繰り返す人と、一度も経験しない人がいるのです。
魚を加熱するか、一旦冷凍すれば、アニサキスは死ぬため発症しません。
しかし新鮮な魚や、自分で釣ってきた魚を食べるときが問題となります。

症状

アニサキスが体内に入ると数時間から10時間くらいまでに腹痛や吐き気、嘔吐が起こります。
ごく稀にアニサキスが胃を通りすぎて、十二指腸や小腸、大腸に進み、
より強い腹痛や腸閉塞を発症することもあります。
一方で、アニサキスが体内に入っても無症状のケースも多いと思われます。
個人の免疫力や体質等によって症状が異なる点もアニサキスの特徴です。

検査及び診断

新鮮なサバやアジ、イカを食べたことが診断の決め手になります。
酢締めや醤油漬けでは、アニサキスは死にません。
アニサキスの検査方法としては胃カメラで直接、
アニサキスを発見するのが一番です。
経験的に一匹とは限らず、数匹いることもよくあるので、
一匹見つけたからといって気を抜かずに胃を丁寧に調べます。

治療

アニサキスは人間の体内に入ると7日程度で死滅し増殖することはありません。
ですが、アレルギー反応で苦しみ続けることは耐えがたく、通常はなんらかの治療を行います。

胃にアニサキスがいる場合

内視鏡でアニサキスが胃にいることが確認された場合、
内視鏡の先端からアニサキスを取り除くと、速やかに痛みが消失します。
大抵の場合は、内視鏡で胃にいるアニサキスを除去するだけで解決します。

もしも内視鏡がすぐに出来る環境でない場合は、
正露丸に殺虫効果があるという報告があるため服用することで治療効果が望める可能性もあります。
ですが、もしもその腹痛がアニサキスでないのに、
正露丸を飲んで様子をみた結果、手遅れになる危険がありますので、
くれぐれも注意してください。
アレルギーであることを考えると、ステロイド治療は有効です。
しかし何といっても内視鏡による除去が効果的なので、
あまりステロイド治療をすることはありません。 

腸にアニサキスがいる場合

内服薬にて症状を緩和させ、アニサキスの死滅を待ちます。

アニサキスに感染しないための予防策

食の嗜好の変化により、アニサキスのリスクが高まってしまいました。
そこで、アニサキスに感染しないための対策・予防策も覚えておきましょう。

マイナス20度で24時間以上冷凍する

アニサキスはマイナス20度で24時間冷凍することで死滅します。
しかし、実はこの数字は少々ハードルが高いです。
なぜなら、日本の家庭用冷蔵庫の冷凍室はマイナス18度に設定されていることが多いです。
日本産業規格(JIS)によって、冷凍室の温度はマイナス18度以下と定められています。
そのため、規格のギリギリの数字であるマイナス18度に設定されている冷凍室が多いです。
冷凍室の温度設定が可能な冷蔵庫であればマイナス20度環境を作ることも可能ですが、
温度設定ができない冷蔵庫の冷凍室は、マイナス20度環境を作ることが少々難しいです。

60度で1分以上、あるいは70度で加熱する

アニサキスは高温に弱いです。
そのため、60度で1分以上、
あるいは70度で加熱することでアニサキスを死滅させることが可能です。
冷凍温度と比較すると、比較的ハードルの低い方法ではありますが、
加熱すると刺身として食べることができなくなります。
焼いて食べる予定であれば問題ないですが、刺身として食べたい魚であれば、
加熱ができませんので他の方法を模索することになります。

内臓をすぐに取り出す

魚をさばく場合ですが、アニサキスは魚の内臓に寄生することが多いので、
新鮮なうちに内臓を取り除くことでアニサキスを魚本体から離別させることができます。

アニサキスがいないか目視する

少々原始的ではありますが、アニサキスは1~2cmの白い糸状の寄生虫です。
つまり、目視が可能です。
冷凍や加熱などができない場合には、対象の魚にアニサキスがいないか、
目視で確認してみるとよいでしょう。
生きているアニサキスであれば動いている可能性もありますので、
目視はさほど難しいものではありません。
色合いからも、目視で見つけることは決して不可能ではありませんので、
刺身として包丁を入れる際、あるいは食べる際、目で確認してみましょう。

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