潰瘍とは、皮膚や粘膜がただれた状態からさらに悪化して、表面だけではなく、 より深く傷付いてえぐれるようになっている状態です。 つまり、十二指腸の粘膜が傷つき、くぼみができるほど、傷が深くなっている状態です。 十二指腸は胃と小腸の間にあります。 傷つく原因となるのは胃酸で、特に、胃に近い部分に潰瘍は多くみられます。 十二指腸は通常、胃酸から壁を守るための機能を持っています。 しかし、ストレスなどでこの機能が弱まったり、 胃にピロリ菌などの細菌が感染した結果、胃酸の分泌が過剰になり、 十二指腸へ胃酸が流れ込むことでバランスが崩れます。 胃酸の攻撃を防ぐことができなくなると、粘膜が傷つき、炎症が起きます。 また、十二指腸は胃壁に比べて筋層が薄いです。 そのため、深く進行し、出血や穿孔を起こしやすいという傾向があります。 胃潰瘍と異なり、20~40歳という若年者に多いのが特徴です。 発症に密接な関係があるといわれているピロリ菌の除菌をすることが予防につながります。 また、規則正しい生活を送り、 なるべくストレスをためない生活を心がけることも大切になってきます。