日本人のピロリ菌感染者の数は約3,500万人といわれています。
多くのピロリ菌感染者は、自覚症状がないまま暮らしています。
ピロリ菌に関連する病気の治療や予防のために、
ピロリ菌に感染している方は除菌を受けるといいでしょう。
特に胃がんを予防するためにはピロリ菌の除菌が重要だと考えられています。
実際、早期胃がんの治療後に、ピロリ菌を除菌した患者様は、除菌をしなかった患者様と比較すると、
新しい胃がんが発生する確率は明らかに低くなっているというデータもあります。
ピロリ菌の除菌治療は薬を一定期間飲むだけで、
処方される薬は、抗生剤を2種類とその効果を高める胃酸分泌抑制剤1種類です。
合計3つの薬を1週間飲んでもらいます。
除菌が成功したかどうかの判定は、薬の服用から一定以上の期間をあける必要があります。
治療薬を飲み切ったあと、4週間以上あけてもらい、再びピロリ菌の検査を行います。
除菌治療は必ず成功するものではなく失敗することもありますが、
1回目の除菌で70%以上の人が除菌に成功します。
また、最初の除菌治療に失敗した場合は、抗生剤を変更し、2回目の除菌治療を行うことができます。
1回目と2回目の除菌治療を合わせた成功率は97~99%程度だといわれています。
抗生剤の効果で腸内の良い細菌も死んでしまうため、副作用で下痢を起こす人もいます。
しかし、これが出現したからといって中止する必要はなく、1週間は継続してもらうケースがほとんどです。
重篤な副作用はありませんが、不安に思う点があれば、主治医に相談しましょう。