campylobacter カンピロバクター

カンピロバクターとは

カンピロバクターは細菌です。 感染することで、腸炎を起こします。 カンピロバクターは、鶏やウズラ、 七面鳥や牛などの家畜の腸管や生殖器に感染します。 その後、カンピロバクターが混入した食品や、 生き物の排泄物で汚染された水や食品などを人間が摂取することで、 消化管に感染し、下痢などを引き起こします。

他の細菌と比べて、少ない菌量の摂取で感染してしまうことが特徴です。 主な症状は、高熱・下痢・血便・腹痛・悪心・嘔吐です。 症状は数日で治まることが多く、ほとんどの人が自然治癒します。

発生率は5~7月にピークを迎えますが、冬期にも発生しています。 カンピロバクターは、世界の胃腸炎の中で、 最も多い原因の菌だと考えられています。 日本で発生している細菌性食中毒の中でも、 近年発生件数が最も多いのがカンピロバクターを原因とするものです。 年間の患者数は2,000人程度です。

カンピロバクターとは

感染経路

カンピロバクター種の細菌は、牛・羊・豚・鶏などの家畜や野鳥、
野生動物の消化管に存在しています。
犬猫などのペットにも生息していますし、甲殻類でも検出されます。
これらの生き物の排泄物で汚染された食品や水などを
介して人の消化管に感染していきます。

主な感染経路は、一般的には食べ物からだと考えられています。
原因は、肉類が最も多く、事例の大半は鶏肉です。
生や過熱不足で食べることで、細菌が少量でも感染してしまいます。
その他に、ペットからの感染や、井戸水・湧水など水系感染事例もあります。

この菌は乾燥に弱く、通常の加熱調理で死滅します。
しかし、低温には強いため、
冷蔵庫内はカンピロバクターの生存に適している環境と考えられます。
生肉の摂取をしたり、バーベキューなどでの火の通りが
甘かったりすることが感染に繋がるケースが多いです。
また、調理前の手洗いが不十分であったり、調理器具の洗浄、
乾燥が 不十分であったりすることも感染が広がりやすい要因です。

症状

主に胃腸炎を起こします。
下痢や血便、吐き気や嘔吐、強い腹痛を起こします。
下痢や腹痛はほぼ全員が起こり、約90%は水様の便で、
1日の便回数が多く、約40%の人に血便があるのも特徴です。
その他、38℃程度の発熱が約90%の人に出現し、
頭痛や悪寒、倦怠感等が出る人もいます。
他の感染型細菌性中毒と症状は類似しています。
症状は数日で治まり、長くとも1~2週間で治癒します。

病原体に感染してから症状が発症するまでの
潜伏期間は1~7日間とやや長いことが特徴です。
死亡例や重篤例はまれです。
しかし、乳幼児・高齢者、その他抵抗力が低下している人は
重症化する危険性もあります。

菌血症や心内膜炎、ギランバレー症候群などの合併症を起こすことがあるため、注意が必要です。

カンピロバクター腸炎の検査および診断

医師の問診にて、症状と経過から推測されて
治療が開始されることが多いです。

・数日前からの食事の内容
・生活の状況
・海外渡航歴
・発症してから受診時までの症状の推移
などを確認します。

便に感染源がいるか肉眼で確認するため、顕微鏡による観察を行うこともあります。
便中に細菌がいることが確認できれば、診断は確定となります。
しかし、多くの医療機関ではすぐに結果が出るものではありません。
症状と経過からカンピロバクター腸炎と
推測されて診断されるケースがあります。

その他、血液検査で腸内の炎症の程度を確認したり、
超音波検査で腸管のむくみがみられる部位やその程度を判断したりすることもあります。

カンピロバクター腸炎の治療

症状が重くなければ1週間程度で自然治癒する場合が多いため、
抗菌薬を使っての治療の必要はありません。
必要に応じて対症療法を行うことが基本です。
まずは脱水にならないように、経口補水液やスポーツドリンクなどで、
水分補給・塩分補給をこまめに行います。
脱水の程度によっては、点滴による治療が必要になることもあります。
食事に関しては、症状が安定するまで極力控えめにしましょう。
また、食べ物を口にする場合は、おかゆなど消化のよい食べ物を選択し、
少しずつ摂取するようにします。

便から細菌が排出されています。
下痢止め薬などを使用すると、細菌を体外に排出できなくなる可能性があります。
そのため、自己判断で市販薬を購入するなどは避けることが望ましいです。
医療機関で診察を受けると、腸内環境の改善のため整腸剤を処方することもありますが、
腸の蠕動運動を抑制するような薬は使用しません。

高熱や出血を伴った下痢、重度の下痢がみられる場合など、
重症と判断された場合はマクロライド系やテトラサイクリン系による
抗菌薬を用いた治療が行われることもあります。
ニューキノロン系抗菌薬に関しては耐性菌が増えており、
第一選択になることはあまりありません。
感染力は下痢がひどい時期に高く、2~3週間ほど菌の排出は持続します。
有効な抗菌薬が投与されると排菌の期間が短縮され、2~3日で感染性が失われます。

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