大腸の入り口にある盲腸には、 虫垂という5〜10cm程度の垂れ下がっている親指のような突起物があります。 この虫垂に化膿性の炎症が起こる病気を「急性虫垂炎」といいます。 以前は「盲腸」と呼ばれることが多く、広く認知されていました。 最近では正しくは虫垂の炎症のため、 「急性虫垂炎」と呼ばれることが一般的になってきています。
腹部の病気のなかでも頻度が高く、男女関係なく子どもから高齢者まで幅広く発症します。 10~20代での発症がやや多く、15人に1人が一生に一度は罹るといわれています。
右下腹部の激しい痛みが代表的な特徴です。 初期は軽い炎症を起こしている状態ですが、炎症が進行すると虫垂の外にも炎症が広がり、腹膜炎を併発する場合もあります。 また、細菌が血流にのって全身に広がる病気である敗血症になると、命に関わることもあります。 症状が出始めてから24時間前後で危険性が高まります。 処置が遅れると命に関わる場合もあるので、初期段階での発見と早期治療が重要です。 特に幼児は正確に病状を伝えるのが困難です。 そのため、発見が遅れて容体が悪化し、入院が長期化することも少なくありません。