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クローン病は大腸や小腸に粘膜の慢性炎症や潰瘍を引き起こすのですが、 原因がよく分かっていないことから、指定難病96でもあります。 1932年、アメリカにて初めて報告された病気で、 我が国では特定疾患医療受給者証交付件数でみると1976年には128人だったものの、 2013年には39,799人、人口10万人当たりに換算すると27人程度ではありますが増加傾向にあります。 10代から20代の男性にかけて多いとされているのですが、 女性、さらには高齢者でも確認されています。
クローン病は口腔から肛門に至る様々な消化管に炎症や潰瘍をもたらす症状です。特に小腸の末端部に多く見られる傾向にあることから、腹痛や下痢、血便やそれらに伴う体重の減少がみられます。その他、発熱や貧血がみられるケースもあれば、重症化することで、腸管合併症、さらには他の合併症を及ぼすケースもあります。しかし、これらの症状は日常生活の中で決して珍しいものではありません。特に腹痛や下痢に関しては、多少の体調不良でもみられる症状であることから、初期段階でクローン病を自覚できるケースは稀です。
クローン病は寛解期と再燃期を繰り返す点も特徴です。症状が落ち着いたと思っても、その後再びクローン病に悩まされる傾向にあります。そこで治療を行い、再び症状を落ち着かせることができたとしても、時間と共に再燃し、体に負担を与えます。そのため、寛解期ではあっても治療を継続することが望ましい症状です。
ヒアリングに加え、内視鏡やレントゲンなどで検査を行います。特に大腸カメラを使用すると、クローン病特有の炎症や潰瘍部分を確認できるので確実性は高いです。指定難病ではありますが、内視鏡は決して珍しい医療設備ではありませんので、検査・診断だけであれば、決して難しいものではありません。
クローン病は指定難病ではありますが、治療法は確立されています。基本的には薬物治療ですが、いくつかの種類の投与が効果的とされています。
メサラジン、サラゾスルファピリジンが挙げられます。いずれも大腸の炎症を鎮めるものですが、メサラジンに関しては小腸の炎症にも効果が期待できるものです。継続投与することでより大きな効果が見込めるもので、クローン病治療では欠かせません。
炎症抑制作用が強いステロイドです。炎症が悪化している場合、硬貨効果が期待できます。主にブレドニゾロンで、基本的にクローン病が悪化している時に用いるものなので、寛解期に用いられることはありません。
免疫を調整することでクローン病を寛解期へと導きます。また、寛解の維持にも期待できます。アザチオプリン、シクロスポリン、タクロリムスなどがもちいられます。
クローン病はTNF-αと呼ばれる体内物質が多量・過剰に作られることで炎症が起きてしまいます。そのため、TNF-αを抑えることで、炎症の緩和を狙うものです。インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブなどが挙げられます。
クローン病は、寛解期ではさほど症状を気にする必要はないのですが、日常生活でいくつか気を付けるべき点があります。これらを意識することで、寛解期を伸ばし、健康な生活を長く送ることができます。
自分自身を追い込むような過度な運動は控えましょう。ただし、疲れない程度の、適度な疲労感を得られる程度の運動はクローン病に効果的とされていますので、追い込まない程度の運動を心掛けましょう。
寛解期に関しては特に食事制限はありませんが、暴飲暴食は控えましょう。暴飲暴食は腸内に負担をもたらすものです。寛解期に落ち着いている炎症を刺激させてしまう可能性がありますので、暴飲暴食を控え、適切な量と栄養バランスを意識した食事を心がけましょう。
まだまだ分からないことが多いクローン病です。アルコールに関しても、影響がまだまだ未知数です。寛解期であれば適量の摂取は問題ないとされています。
クローン病ではあっても妊娠・出産した事例がありますので、胎児への影響を考慮しながら治療を継続する必要があります。特に投薬に関しては自己判断するのではなく、医師に相談しましょう。
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