ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。
症状も2~3日程度で治まるため、通常は対症療法が行われます。
対症療法は、痛み止めを使用したり、
腸の動きを止めない下痢止めや整腸剤の投与、
脱水症状のひどい場合は点滴を行います。
嘔吐や下痢によって体からウイルスを排出しています。
そのため、症状がひどいからといって、
吐き気止めや下痢止めの使用は病気の回復を遅らせることがあるので、
一般的にはあまり望ましくはありません。
嘔吐や下痢が起きると、普段よりも脱水症状が起きやすい状態です。
半日以上おしっこが出ていない場合は、
脱水症状を起こしていると考えられます。
できるだけこまめに水分を補給することが望ましいです。
特に体力の弱い乳幼児、高齢者は、脱水症状になりやすいです。
症状が少し落ち着いたら、少しずつ水分補給を行いましょう。
また、体力の消耗も起こります。
できるだけ静かな場所で横になり、安静にして休息をとりましょう。
横になると吐き気がする場合はクッションや布団などを背もたれにして、
上体を預けるとよいでしょう。
無理に食事をする必要はありませんが、
食べられるようならば、消化のよいものから口にし、
栄養の補給を少しずつ行いましょう。
お粥やバナナなどがおすすめです。
症状が改善後もしばらくの間は便中にウイルスを排出し続けます。
家族や周りの人にうつさないためにも、
手洗いやうがいはしっかり行いましょう。
また、共有部分のウイルスの除去も意識して行うことが大切です。