anemia 貧血

貧血とは

貧血という症状の名称から、 体内の血液が減少した状態を貧血だと考えている人も多いのではないでしょうか。 実際、月経時に貧血を伴う女性もいますが、貧血とは血液中の赤血球数、 赤血球の中で酸素を運搬する役割を持つタンパク質の一種であるヘモグロビンが不足することで、 血液が体内に十分な酸素を届けることができない状態を指します。

貧血

原因

貧血の原因として、主に3種類が考えられています。

過剰出血

外傷や手術等による、過剰出血が貧血をもたらすケースもあります。
特に女性の場合、月経時に出血しますので、
貧血になりやすいとの指摘があります。
ちなみに、一般的に人間は全血液量の約30%以上の出血で生命の危険が、
約20%以上の出血で出血性ショックが起きるとされています。

赤血球の産出の低下

赤血球は葉酸やビタミンB12から作られるものですが、
これらが不足することで赤血球が作られなくなり、貧血を起こすものです。
特に女性に多くみられるのが鉄欠乏性の貧血です。
過剰なダイエットによる偏食や栄養摂取量不足に伴い、
葉酸やビタミンB12も摂取できなくなり、貧血を起こすケースが多いです。
また、妊娠時には胎児への栄養補給も行うことから母体の栄養不足に陥りやすい点、
さらには月経等によって鉄分が排出されることでも生じてしまうものです。
また、巨赤芽球性貧血も赤血球の産出が低下によって招かれます。
こちらも栄養不足が原因ですが、
他にも悪性腫瘍やアルコール中毒者にもみられるものです。
また、胃を切除した人にもみられます。
これは、胃がビタミンB12の吸収を促進する働きを持っていますので、
胃がなくなることでビタミンB12の摂取量が低下することに起因しています。

赤血球が破壊されることで起こる貧血

体内で作られる赤血球が、何らかの理由で破壊されることで起こる貧血です。 こちらは難病が多いです。
主に急性白血病や多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群等で、
血液細胞が正常に機能せず、赤血球を破壊してしまいます。
他にも赤血球が壊れやすくなる溶血性貧血、白血球ががん化してしまい、
造血幹細胞を攻撃して赤血球を破壊することで生じる再生不良性貧血などがあります。

貧血の症状

貧血は初期症状として疲労感や倦怠感、
運動時の動悸や息切れ、さらには顔面蒼白が挙げられます。
しかし、これらは貧血以外でも生じるものなので、
これらを感じてすぐに貧血だと自覚することは難しいです。
貧血が進行すると、頭痛、めまい、さらには筋肉がけいれんしたり、
呼吸困難などが起きるのですが、
これらに関しても貧血独特の症状ではないことから、
やはり自覚が難しいです。
また、鉄欠乏貧血の場合、鉄分不足によって爪が割れやすくなる、
髪が抜けやすくなる、肌が荒れやすくなるといった身体上の影響もみられます。
巨赤芽球性貧血の場合、手足のしびれ、
チクチク感さらには記憶障害等が起きるケースもあります。

貧血の検査や診断

貧血の検査は血液検査にて行います。
ヘモグロビン濃度、赤血球数や割合等から判断するのですが、
WHOでは下記を貧血の基準としています。

成人男子:13.0g/dl以下
成人女性・小児:12.0g/dl以下
高齢者:11.0g/dl以下

血液検査そのものは多くの医療機関にて行われている点を踏まえると、
貧血の検査は決して特別な検査ではありません。
ただし、 貧血の原因疾患を特定するための検査として内視鏡検査や骨髄検査、
遺伝子検査等が行われます。

治療

貧血の治療は、貧血の原因によって異なります。

鉄欠乏性貧血の治療法

鉄材等、薬の服用での治療となります。
貧血症状が治まった後も再発防止の観点から2~3か月は継続します。
また、鉄材を服用すると、鉄分の影響で便が黒くなることもあるのですが、
特に問題はありません。

巨赤芽球性貧血の治療法

ビタミンB12や葉酸の不足による症状なので、それらの成分を補給します。
但し、胃を摘出している場合には長期的な栄養補給による治療が行われます。

上記以外の貧血の治療法

上記以外の貧血の場合、手術による治療となりますが、
貧血の原因とstageによっても異なります。
例えば、白血病に起因する貧血であれば、
白血病治療を行うことになります。

予防

貧血の予防としては、適切な栄養摂取です。
日常生活に於いて、鉄分や葉酸、ビタミン等、
栄養バランスのとれた食事を心がけることで、貧血の予防が可能です。
特にヘモグロビンの材料となるタンパク質、
栄養摂取を効率化するビタミンCの補給も重要です。
控えるのは食後のコーヒーです。
一服のつもりで摂取する人も多いのですが、
コーヒーを摂取すると吸収率が悪くなります。
葉酸やビタミン、タンパク質など貧血予防に効果が期待できる栄養成分を摂取しても、
コーヒーによってそれらが分解され、
上手く吸収できなくなってしまう可能性もありますので控えた方が良いでしょう。

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