花粉症の治療には、症状を抑える「対症療法」と、完全に治すための「根治療法」があります。
対症療法には、薬とレーザー手術があります。
薬剤治療のベースになるのが、「抗ヒスタミン薬」です。
これまでは「花粉症の薬は眠くなる」と言われがちでした。
近年では、眠気などの副作用が軽減された「第2世代抗ヒスタミン薬」が登場しました。
他には「抗ロイコトリエン薬」を使用したり、くしゃみや鼻水など、
鼻の症状が強いときには「鼻噴霧用ステロイド薬」を使ったりすることもあります。
この薬の登場により花粉症治療は大きく進化しました。
目の症状に困っている場合は、アレルギー症状を抑える点眼薬も使われます。
レーザー手術は、鼻粘膜の表面に麻酔をかけ、レーザーで粘膜を焼き、アレルギー反応を抑えます。
薬を使った治療で十分な効果が得られない場合に検討されます。
特に鼻づまりの症状が強い場合、レーザー手術を行うことがあります。
完全に花粉症を治すとなると、根治療法が検討されます。
現在、根治療法として期待されているのが「アレルゲン免疫療法」です。
花粉に反応する体質自体を変えていこうという考え方です。
花粉症の原因となっているアレルゲンを少ない量から体に取り入れます。
そして、徐々に増やしていき、免疫を獲得しようという治療法です。
これまでは注射で行われていましたが、最近では治療薬を舌の下に置き、
定められた時間保持したあと飲み込むという「舌下免疫療法」が注目されています。
注射のように痛みもなく、通院は1か月に1回ほどですみます。
即効性がなく、治療には2~3年かかりますが、花粉症が治り得る唯一の治療法と言われています。
花粉症は日頃から、花粉との接触をできるだけ避け、予防するということがとても大切で、
これは、抗原回避ともいい、アレルギー性疾患の治療によく用いられる言葉です。
花粉が多く飛んでいるシーズンは、外出時には眼鏡やマスク、帽子を身につけましょう。
上着は表面がつるつるした素材の物を選び、帰宅したら玄関で花粉をよくはらい、
家の中に花粉をできる限り持ち込まないようにすることが大切です。
また、外出から帰宅したら、洗顔やうがい、鼻をかむなども重要になってきます。