ムンプス | 接種回数:1~2回 | 種類:生ワクチン | 価格:6200円 | 2回目:4週間後 | 備考:過去に1回接種歴がある人は追加1回接種。 不明や接種歴ない人は2回接種。 確実に感染歴がある人は接種不要。 ★2ヵ月避妊 1回抗体獲得率78% 2回で88% |
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ムンプスとは流行性耳下線炎、いわゆるおたふく風邪と呼称される疾患です。 唾液腺が痛む、腫れるといった症状が見られるので、精巣や脳、すい臓に影響を与えるケースもあるのですが、ムンプスはウィルスによる感染症です。 そのため、自身に起因して発症するのではなく、感染者の飛沫や唾液等で感染します。 ただし、ムンプスの感染力は、はしかや水ぼうそうと比較するとさほど強いものではありません。 感染すると、およそ12日から24日程度で発症します。 ただし、感染者の25%は無症状とされています。感染すると、悪寒や頭痛、食欲低下やだるさが見られます。 唾液腺が腫れるので飲食時に痛みや違和感を伴いますが、唾液腺が腫れる以外の症状がみられないケースもあります。 また、ムンプスは合併症を伴うケースもあります。無菌性髄膜炎や脳炎、精巣炎、膵炎等が該当します。 これらの症状の予防としてムンプスの予防接種が行われています。
発熱がある場合や、重篤な急性疾患が明確である患者はムンプスのワクチン接種ができません。
これまでワクチンにてアナフィラキシーを起こした経験がある方や、
免疫機能に異常がある方、さらには医師が摂取に関して不適当だと判断した場合には摂取はできません。
また、心臓や血管、腎臓に持病がある方に関しては、
接種の際に注意が必要なので、かかりつけの医師に相談しましょう。
他にも過去にけいれんしたことがある方や先天性の免疫不全と診断された方、
予防接種にて発熱やアレルギーを疑う症状が出た方も、接種の前に医師に相談しましょう。
欧米のデータではありますが、ムンプスワクチンを1回定期接種している国ではおよそ90%、
2回定期接種している国では99%、ムンプス患者が減少していますので、
効果があると考えてよいでしょう。
有効率に関しては1回摂取で73%から90%、2回摂取で79%から95%となっています。
2回接種することで、およそ20年から30年間の効果が持続します。
1歳になったら早めに1回目を、小学校入学前1年の間に2回目が推奨されています。
ムンプスワクチンは2回接種が推奨されています。
接種の推奨は1歳からとなっていますが、
ムンプスは決して小児だけが発症する疾患ではありません。
大人になってもムンプスに発症する可能性はあります。
先にもお伝えしましたが、ムンプスは幼年期に2度摂取することで、
その後20年から30年の効果が期待できます。
つまり、20年後から30年後には免疫が喪失すると考えることもできますので、
20歳前半から30歳前半にて、再び受けることで、さらにムンプスの免疫を長期間獲得できます。
ムンプスワクチンの副反応として、ワクチン接種から数日程度で発熱や耳下線の腫れ、
嘔吐や咳、鼻水・鼻汁等、風邪に近い症状がみられますが、数日程度で自然消失します。
また、稀にではありますが、紫斑や花出血、口腔粘膜出血、
血小板減少性紫斑病、急性散在性脳脊椎炎、脳炎、難聴といった症状が見られるのですが、
人口割合にすると100万人に1人程度とされています。
ムンプスワクチンは任意接種となりますので、費用は公費負担ではなく、自費になります。
そのため、施設によって費用が異なり、
当院では6,200円(税込)となっていますが、
具体的な費用を知りたい場合には、接種を希望する施設に直接問い合わせてみるとよいでしょう。
地域によっては費用助成を行っています。
お住まいの自治体で、ムンプスワクチンに関する何らかの助成がないのかも確認しておきましょう。
ちなみに一例として、千葉県の船橋市では接種時に船橋市に住民登録を行っている1歳の子で、
1度の摂取で3,000円の助成金が支払われます。
接種後30分程度は様子を見ましょう。
息苦しさやせきなど、普段とは異なる様子が見られた場合、すぐに相談しましょう。
接種後から、基本的には通常通りの生活を送っても問題ありません。
入浴も何ら問題ないのですが、接種部位を刺激するのは控えた方が良いでしょう。
激しい運動や飲酒も控えた方が良いです。
特に気をつけるのは妊娠です。
ムンプスワクチン接種から二か月程度は妊娠に気を付けましょう。
ワクチンは体組織に対して異物を混入することになります。
妊娠すると、お腹の中には新しい生命が宿りますが、
ワクチンの成分が胎児に何らかの影響を及ぼすとも限りませんので、
ムンプスワクチン接種の二か月間は、妊娠をしないよう、気を付ける必要があります。