破傷風トキソイド | 接種回数:3回 | 種類:トキソイド | 価格:3100円 | 2回目:3~8週間後 | 3回目:3~4.5ヵ月後 | 備考:3回接種歴がある方は10年に1回接種 |
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破傷風トキソイドワクチンは、破傷風予防のワクチンになります。
破傷風とは破傷風菌による感染症です。土壌に生息する破傷風菌は、動物の腸や分にも存在している菌で、神経毒素を含んでいることから、人間に感染すると中枢神経を襲います。
破傷風が他の感染症と異なる特徴として、傷口から侵入する点にあります。
他の感染症は飛沫等で感染するのですが、破傷風は傷口から侵入してくる感染症なので、例えば、外で遊んでいる時に切り傷を負うと、破傷風リスクが高まることになります。
また、感染力も高いことから、少ない量の菌ではあっても体内に侵入し、増殖します。
結果、大きな症状に発展するケースもあります。
破傷風の症状として、口が聞きにくくなったり顎が疲れるといった日常生活にありがちな軽度の違和感から、歩行障害、筋肉の硬化、さらには呼吸困難から、死亡へと発展するケースもあるなど、決して侮れない症状です。
実際、WHOの発表によると1988年には787,000例の新生児が破傷風にて死亡しており、翌1989年の世界保健総会では新生児の破傷風撲滅を呼び掛けたほどです。
破傷風はその特性から、小さいお子様が外で遊んだ際に感染するリスクがあります。
近年は外で遊ばせる方、あるいは遊べる場所そのものが少なくなっていることから破傷風リスクは低減していると考えることができますが、お子様にとって怪我はつきものです。
そのため、破傷風リスクを0にすることは難しいです。
破傷風はあくまでも傷口からの感染で人から人へは感染しません。破傷風毒素が体内に入り込むと、リンパから体の部位に広がることで、様々な症状を生みます。
ちなみに潜伏期間は3日から21日程度とされています。
破傷風トキソイドは、明らかに発熱が確認される場合や
重篤な急性疾患にかかっている場合には接種ができません。
また、過去に破傷風トキソイドにてアナフィラキシーを起こしてしまった経験者の方も摂取はできませんし、
心臓病や腎臓病等の血液に関する病気の患者や、
発育が遅いので医師や保健師の指導を受けているお子様、
風邪の引きはじめだと思われる方や妊婦は、破傷風トキソイドを摂取する前に、
医師とよく相談しておきましょう。
自己判断ではなく、医師の判断を仰ぎ、医師が止めるようであれば摂取は控えましょう。
破傷風のワクチンである破傷風トキソイドを摂取することで、
100%に近い方が抗体を獲得し、破傷風の予防を実現しています。
破傷風トキソイドを適切に摂取することで、およそ10年間、免疫状態が持続します。
破傷風トキソイドの予防接種は1期と2期に分類されています。
1期に関しては生後3ヶ月から12か月の間に、
20日から56日の間隔を保ちながら3回摂取します。
2期には11歳から12歳の間に1度摂取します。
破傷風トキソイドは1期に3回、2期に1回の合計4回の接種となっていますが、
1期の3回目の後に追加接種も用意されています。
定期接種が用意されているのは上記の年齢ですが、任意接種に関しては年齢制限がありません。
破傷風は衛生環境・観念が国際的に優れている日本国内では発症リスクは限られていますが、
世界的にみればまだまだ安心とは言えません。
そのため、海外に渡航する際、破傷風トキソイドの接種をと考えている方も多いです。
全身症状としては 発熱や悪寒、頭痛、倦怠感やめまい、関節痛が報告されています。
局所症状としてはむくみや発赤が確認されているのですが、これらは数日程度で自然に消失します。
また、稀にではありますがアナフィラキシーやショックも確認されています。
破傷風トキソイドは自費となっています。
摂取する施設等によって費用は変わりますので、破傷風トキソイドの摂取を検討している場合、
費用に関しても問い合わせてみましょう。
当院では3100円となっております。
ただし、けがをした場合の緊急摂取では健康保険対象となりますので、
自己負担額も変わり、1回数百円程度となります。
破傷風トキソイドの摂取後30分ほどは副反応が起こる可能性がありますので、
接種した医療機関・施設にて待機しておきましょう。
もしも何らかの反応が見られた場合には担当する医師にすぐに見てもらいましょう。
基本的に、接種当日も通常通りの生活で問題ありませんので、入浴も可能です。
しかし、接種部位をこすりつけるなど、直接的に刺激することは控えましょう。
また、ハードな運動や飲酒も控えた方が良いでしょう。